「人事労務の仕事をしているが、人事部に在籍しながらも完璧な用語はそういえば知らないかも知れない」
「人事労務用語って何となく使っているけれど、改めて考えると人事用語を正しい言葉の定義までは深く理解できていなかったかも知れない」
と気づく瞬間がありませんか。
実は人事労務の仕事は「人事は経験が全てだ。経験してから学べ」と教えられることが多く、座学の時間が少ないことで、人事用語の意味を深く理解出来ないまま言葉を使っていることが多々あります。
人事労務の仕事は事務仕事から社員や労働組合、経営者、会社周辺の関係者との交渉や良好な関係作りに至るまで幅広い仕事範囲があります。
人事労務の仕事をする、ということは、その言葉の意味を知らなければとても恐ろしい事態を多々招くことになります。
今回は、人事労務用語の中でも頻出かつ業務中に必ず確認すべき人事労務用語辞典を用意しました。
人事労務用語について気になっている方はぜひ、最後まで目を通していって下さい。
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- 新卒採用
- 中途採用
- リファラル採用
- アルムナイ制度(俗称:ブーメラン社員)
- 圧迫面接
- 動画面接
- 内定者フォロー
- ブラック企業
- ホワイト企業
- 解雇
- 整理解雇
- 普通解雇
- 懲戒解雇
- 退職勧奨
- 労働紛争
- 労働組合(現在通称:社内労組)
- ユニオン(外部労組)
- 団体交渉
- 試用期間
- 自己都合退職
- 会社都合退職
- 労働基準監督署
- 36(サブロク)協定
- 就業規則
- 労働基準法
- コンプライアンス
- パワーハラスメント(通称:パワハラ)
- セクシュアルハラスメント(通称:セクハラ)
- オワハラ
- 労働災害保険(通称:労災)
- 労働安全衛生法
- 社会保険
- 労働保険
- テレワーク
- つながらない権利
- エッセンシャルワーカー
- ブルーカラー
- ホワイトカラー
- 同一労働同一賃金
- 正社員
- 契約社員
- 無期雇用社員
- 派遣社員
- 直接雇用
- 定期昇給
- ベースアップ(通称:ベア)
- 春闘
- 産業医
- 職域接種(職場接種)
- 安全衛生委員会
- キャリアパス
- 人事異動
- 労働審判
- 経営側弁護士
- 労働弁護団
- ハインリッヒの法則
- 都道府県労働委員会(通称:府労委)
- 中央労働委員会(通称;中労委)
- 役職定年(通称:やくてい)
- 定年
- アイスブレイク
- 週休3日制
- ノーレイティング
- サマータイム
- ジョブ・ディスクリプション
- 嫁ブロック
- 評価者訓練
- 社内失業(通称:社内ニート)
- 出向
- 転籍
- 人員計画
- ノーワーク・ノーペイの原則
- 有給休暇
- 傾聴
- ストレッチ
新卒採用
新卒採用とは、毎年4月1日入社する大学または大学院を卒業したての人材を採用することを指します。
企業にとって欠かせない幹部候補生を採用するための重要な採用経路です。
新卒採用でいかに将来性の高い人材を確保できるのかによって、企業の業績が変わります。
企業がどのような人材を採用するのかについては、企業側に採用の自由がある一方で、男女雇用機会均等法など性別などによる差別は許されていません。
中途採用
新卒採用以外の経路で社員を採用することを中途採用と呼ぶことが一般的です。
時期などは特に決まっておらず、欠員補充や、社内だけで人材を賄いきれないと判断したときに採用をかけることが多いです。
新卒採用と同様に企業側には広く採用の自由が認められています。
リファラル採用
リファラル採用とは、社員による応募者の紹介制度です。
自社にいる従業員が、人事や経営者に対して知り合いなど縁故関係にある人を紹介します。
人手不足に陥っている企業では有効な採用手法です。
ただし、紹介者の紹介した人材を確実に採用できるわけではないため、配慮が必要な採用手法です。
また、もしも縁故入社してくれた社員が早期離職することになってしまうと、紹介者のメンツが潰れてしまうといった問題もあります。
アルムナイ制度(俗称:ブーメラン社員)
アルムナイ制度とは、退職した社員を再度雇用することを指します。
アルムナイ制度は退職者を場当たり的に再度雇用するのではなく、在職者と退職者がコミュニティなどを通じて気軽に相談できる関係を構築することが重要です。
圧迫面接
圧迫面接は、応募者に対して威圧的な態度をわざと取ることにより、応募者のストレス耐性を測るための面接手法です。
圧迫面接は応募者にブラック企業だという印象を与える可能性がある一方で、応募者の中でも採用可能性が高い候補者ほど厳しい質問を投げかけることも多く、知らずに圧迫面接をしてしまうこともあります。
中途採用者に対しては有効な採用手法である一方で、学生などに対しては避けた方が良い採用手法です。
動画面接
動画面接とは、一次面接を応募者が自分で撮影した動画提出に置き換える新しい採用手法のことを指します。
新型コロナウイルス感染症の流行により、動画面接を行う企業が急増しました。
企業側は面接時の質問事項を書いたメールなどを応募者に送付し、その質問事項に回答する動画を応募者はスマホなどで撮影して送付します。
応募者の個性が一般的な面接よりも出せる手法です。
内定者フォロー
内定者フォローとは、内定者が入社するまでの間に行事などを開催し、入社に対する不安を取り除く経営者と人事部の人材確保のための業務のことを指します。
内定者フォローを実施することで内定辞退を減らすことが目的です。
特に学生は内定から入社まで時間が半年以上経過することも多く、その間に不安を持たれると内定辞退につながっていきます。
入社式前に懇談会の実施や、オンライン環境で共通の話題で話をするなど、少しでも入社前の不安を取り除くようにしましょう。
ブラック企業
ブラック企業とは、従業員が劣悪な環境で働いている企業を指しています。
特に法的な定義などがなく、労働基準法違反を繰り返すことや、行政命令を受ける、SNSで炎上を引き起こすといった行為をするとブラック企業と呼ばれる確率が高くなります。
注意しなければならない点として、社員に裁判など法的措置を起こされてもブラック企業と呼ばれやすくなる点です。
従業員ともめ事を起こさないことが重要であり、ブラック企業と呼ばれないようにどのような法的、道義的な人事管理を行うのかが重要です。
ホワイト企業
ホワイト企業とは、従業員が働きやすくお給料が高い企業のことを指します。
特に法的な定義などはありません。
一般的には有名企業や大企業などがホワイト企業と呼ばれることが多いです。
解雇
解雇とは、労働者と結んだ労働契約を会社側の都合で一方的に破棄することを指します。
日本は正社員を解雇するハードルが非常に高く、ほぼ不可能なレベルでの水準の法令順守を求められます。
実務的には解雇を避けて出来るだけ自己都合退職をお願いするということが人事労務上の運用となります。
解雇には整理解雇、普通解雇、懲戒解雇の3種類があります。
整理解雇
整理解雇は、会社が倒産する危険性がある場合に行われる解雇です。
実は解雇の中ではハードルが低く設定されており、以下の4つの要件を満たせば整理解雇が認められることが多いです。
- 経営上の必要性(企業が倒産寸前といった緊急事態にあること)
- 解雇回避の努力(解雇をするまでに人事異動や出向など社員に対して出来るだけのことをしたか)
- 人選の合理性(年齢や勤続年数など、退職者選定の理由は明確化どうか)
- 労使間協議(労働組合または労働者代表と整理解雇の必要性などについて十分議論し尽くしたのか)
普通解雇
普通解雇は、労働者の能力不足や、労働者の能力低下、労働者に発生した個別の理由によって解雇することです。
もっとも裁判所に認めさせることが難しく、立証が大変な仕事となるのが普通解雇です。
普通解雇を実現するためには、普段から社員の仕事ぶりに関してチェックし、始末書を書いてもらい、根気強く改善指導をするなど証拠を積み重ねる必要性があります。
懲戒解雇
懲戒解雇は従業員に対する会社側が与える処分の中でも、最も重大な処分です。
社員が横領などの犯罪や、業務命令違反、職務規律違反など、社会のルールに反した行動を行った場合に懲戒解雇を行います。
いずれも業務に関連していることが重要であり、社員がプライベートな時間帯に起こした犯罪については咎められないこともあります。
また、会社の経営する事業に大きなダメージを与える犯罪をした場合は懲戒解雇が適用される可能性があります。
例えば、自動車メーカーに勤務している社員や、酒造メーカーの社員が飲酒運転を行った上に、人を車ではねて死亡させた場合などです。
会社のイメージを大きく損ねるような犯罪を行った場合にはプライベートな時間に行った犯罪でも厳しくジャッジする必要性があるということです。
退職勧奨
退職勧奨とは、従業員に対して会社側から会社を自己都合で退職してくれないだろうかとお願いする行為のことを指します。
退職勧奨に関しては経営者サイドに退職勧奨を行う権利があります。退職勧奨を受けた従業員も辞めたくないと思っている場合には、退職を断り在籍を続ける権利があります。
強引な退職勧奨など問題視されることもありますが、方法などの形式美よりも従業員本人に対して、選択肢を与え、考える時間を与え、本人に真に決断を促したのかどうかが重要視されます。
労働紛争
労働紛争とは、労働者個人と経営者の間で発生する労働条件や雇用関係などに関する争い全般を指します。
古くは労働組合が隆盛しており、労働組合と経営陣の戦いをそのまま労働紛争と呼んでいた時期もあります。
労働組合活動などの社会運動の衰退と共に、少しずつ労働紛争の件数は減少傾向にあります。
一方で労働者個人からの労働審判の申し出やパワハラ・セクハラなどに関する紛争など社員個人との闘いが増加傾向にあります。
労働組合(現在通称:社内労組)
労働組合とは、会社の従業員の中でも課長職以下の従業員が強制的または任意で加入する労働者を守るための組織のことを指します。
労働組合は労働者が主体となり、自主的に労働条件の維持や改善など経済的な向上を目指す組織です。
かつては労働組合があった会社も多いのですが、時代の流れと共に大企業の正社員が加入する大企業の労働組合が残っている状態であり、日本全体として労働組合の数や組織員は現象しています。
社内労組の衰退と共に、ユニオン(外部労組)が活性化しています。
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ユニオン(外部労組)
ユニオンとは、労働者が1人だけでも加入することが可能な労働組合です。
ユニオンは外部労組とも言われており、企業内に労働組合がない場合は労働者が加入し、会社側と労働条件の向上や不当解雇の問題などで戦いをしかける組織となっています。
社内労組があまり意見を言わなくなり、衰退した代わりにユニオンが活性化しています。
外部労組といえ、労働組合ということで憲法などありとあらゆる法律に守られており、無視することが不可能な存在となっています。
ユニオンを警戒することがこれからの人事労務の実務では重要です。
団体交渉
団体交渉とは、労働組合と会社(使用者)で労働条件などについて話し合いを行うことを指します。
憲法28条と、労働組合法で堅牢に守られた権利であり、正当な労働争議活動については、刑事上・民事上の責任を免責されています。
簡単に言えば、警察や裁判所もうかつには手を出せない存在ということです。
ただし、暴力は刑事上の責任を免れないとされています。
大企業では労働組合との団体交渉は定型化しており、議題が毎年ある程度決まっている関係上、昇給や賞与などに的を絞られた交渉を行い金額がいくらで妥結するのかが争点です。
試用期間
試用期間とは、従業員を採用して本採用するまでの試みの期間のことを指します。
試用期間という名前はついていますが、実際の運用としては正社員を雇用した場合、入社後2週間(14日)を経過してしまった段階で解雇することは難しくなります。
試用期間中とはいえ、正社員を解雇する場合には、客観的に見て合理的な理由が必要であり、普通解雇や懲戒解雇のように解雇の正当性を会社側が立証する必要性があります。
安全策を取りたい場合、試用期間中の半年は契約社員扱いとして雇用し、終了次第正社員契約とするようにするなど、対策が必要となります。
自己都合退職
自己都合退職は、離職票上の表現であり、社員が退職願・退職届を会社に提出し、会社が承認するか提出から2週間が経過することによって成立する退職です。
会社側は社員に辞めろということは事実上難しいですが、社員側が会社に対して辞めたいと意思表示をした場合、引き留めることはできません。
自己都合離職をした場合、社員は失業保険(正式名称:雇用保険の失業給付)を受けるまでの期間が2か月と7日間と長い待期期間を待つ必要性があります。
会社都合退職
会社都合退職は、離職票上の表現であり、社員に対して会社が解雇をした場合に成立する退職の様式です。
会社都合退職は労働者が突然失業することや、契約満了に伴う離職となり、労働者に非がないことが多いため、7日間の待期期間で失業保険(正式名称:雇用保険の失業給付)を受給することができます。
自己都合退職よりも会社都合退職は労働紛争に発展することが多く、基本的には自己都合退職で離職してもらうことが労務管理では重要となります。
労働基準監督署
労働基準監督署とは、会社にとっての警察であり、労働基準法と労働安全衛生法違反を取り締まる司法警察職員がいる役所です。
労働基準監督署は基本的に最低賃金法違反や、労災隠しなどの違反を取り締まる役割を果たしており、解雇の妥当性などは争う機関ではありません。
そのため、社員と退職理由について争いになった場合は、裁判所での決着となります。
36(サブロク)協定
36(サブロク)協定とは、時間外労働(残業)に関する協定書のことを指します。
労働基準法では労働時間は1日8時間までかつ、週40時間までと定められており、基本的に定時を超えて労働することが許されていません。
そのため、36(サブロク)協定を労働者代表または労働組合と締結し、残業が可能な状態にする必要性があります。
作成者は事業主で、提出先は労働基準監督署です。
就業規則
就業規則とは、会社で社員が働くために制定された様々なルールを明文化したものです。
従業員数が常時10名を超える会社では必ず締結する必要性があります。
就業規則は定期的に見直し、改定を行ったら労働基準監督署に対して届け出をするなどメンテナンスを行うことが重要となります。
法律的な側面だけではなく会社での雇用慣習など様々な事情に配慮して作成する必要性があります。
また、仮に労働基準法を下回る基準で作成された就業規則は無効となるため、法的知識と会社に詳しい人事課長や人事部長などと経営者が一緒に知恵を出し合い作成することが一般的です。
社内に人事部門が存在しない場合や、社長自身に法律知識に関する自信がない場合、弁護士や社労士に依頼して就業規則を作成することも可能です。
労働基準法
労働基準法とは、労働者の権利を守るための法律であり、労働にあたっての最低限の基準を定めた法律のことを指します。
労働基準法は基本的には経営者のための法律ではなく社員の権利を守るための法律となっており、社員個人と裁判など労働紛争に移行すると、会社側が最終的には不利になりやすい法律となっています。
労務管理を行う上では熟知している必要性があります。
ただし、条文を丸暗記するのではなく、条文を読み、関連する判例を経営者側勝利判決と労働者側勝利判決の両方を見て実務の中で少しずつ活かしていくことが理想です。
コンプライアンス
コンプライアンスとは、法令順守のことを指した言葉ですが、実際にはモラルなど様々な事柄を守るという意味合いが含まれます。
単純に法律を守るということはコンプライアンス上最低限の要求であり、法律だけではなく人権や環境問題など、様々なことへの配慮もコンプライアンスに含まれます。
コンプライアンス違反を起こさぬよう、普段から経営陣が感度を高くしておく必要性があります。
パワーハラスメント(通称:パワハラ)
パワーハラスメントとは、職場で働く人に対して、職務上の優位な立場をもって、業務の適正な範囲を超え、精神的な苦痛や肉体的苦痛を与えることや、職場環境を悪化させる行為のことを指します。
パワーハラスメントに関しては中小企業にも遵守を求める法律ができるなど、大きな注目を浴びています。
社員に対して何がパワーハラスメントにあたるのかを説明し、発生を防止することが重要となります。
セクシュアルハラスメント(通称:セクハラ)
セクシュアルハラスメントは、相手の意に反する性的な言動で、相手を不快な思いや不安な精神状態に追い込む行為のことを指します。
職場上の優位性を背景にした対価型のセクハラや、環境型セクハラ、妄想型セクハラなどセクハラには複数の類型があります。
相手の意思を無視して一方的に行われる行為であり、企業側は厳しく社員に対してセクハラ行為をしてはならないと啓発する必要性があります。
オワハラ
オワハラは「就活終われハラスメント」の略称です。
オワハラは2015年から2016年にかけ、好景気による採用活発化を受けて企業を採用難が襲い、内定を出した就活生に対して他の企業を受けないように拘束するなど、社会問題となりました。
基本的に就活生がどの企業を選ぶのかは自由であり、就活生を囲い込むような言動は避けることが大切です。
労働災害保険(通称:労災)
労働災害保険とは、従業員が業務に起因したケガを負った場合に受けることができる保険給付のことを指します。
例えば、仕事中に足の上に重たいものを落としてケガを負った場合など、労災保険を受給する手続きを取る必要性があります。
一方、労災は認定されると会社側に民事上・刑事上の責任が降りかかります。
例えば従業員が仕事中に生産設備など機械に挟まれて死亡した場合、刑事上は業務上過失致死などの責任に問われ、民事上では億単位の損害賠償を支払う必要になります。
労働災害保険だけではなく使用者責任保険など、大きな損害賠償責任に対応できるタイプの保険などもあるため、同時に加入しておくことが重要です。
昨今では労災認定に関しては長時間労働や、パワーハラスメントでも認定される傾向にあり、会社側が認定されてしまうと裁判での形勢が一気に不利になることから、労災認定された瞬間に大企業ではマスコミに対して謝罪会見を開き、和解を申し出るということがあります。
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労働安全衛生法
労働安全衛生法とは、従業員が安全に働くために定められた法律です。
労働安全衛生法は言葉だけ読めば優しい法律に見えますが、実は労働基準法とは異なり違反すると罰金刑、懲役や禁固刑などの刑事罰が下される法律となっています。
実質会社に対する刑法と考えた方が無難です。
労働安全衛生法に違反すると前科がつくなど、経営者にとっては厳しい処分がおりる可能性もあります。
社会保険
社会保険とは、健康保険制度と厚生年金制度のことを指します。
社員が使う健康保険証や、定年後に受給する年金を得るための積立は会社(人事部)が行います。
人事部において扱うのは健康保険料と厚生年金保険料の算定業務や取得喪失手続きとなります。
社会保険の加入対象者は、正社員と、正社員の4分の3以上の労働時間を働く契約社員やパートタイム労働者です。
派遣社員に関しては派遣元で各種保険に加入することになるため、特に手続きをする必要性はありません。
直接雇用の従業員は労働時間によって加入義務が生じるため、全従業員の労働時間を毎月必ず確認しましょう。
また、40歳以上の従業員は介護保険に加入することになります。
昨今では徴収などの運用方法が変化し、65歳以上の従業員からは健康保険料を給与天引きし、介護保険料は国民年金から天引きするような少し複雑な徴収方法に変化しています。
労働保険
労働保険とは、雇用保険と労働災害保険のことを指します。
雇用保険は従業員が会社を辞めるなど失業した際にセーフティネットの役割を果たす保険で、週20時間以上働く従業員に関しては加入義務があります。
労働災害保険は、社員が仕事中にケガを負った場合に申請する保険です。
労働保険は社員が不測の事態に陥ったときに大きな助けとなる保険であり、加入手続きを忘れず行うことが大切です。
テレワーク
テレワークとは、従業員がインターネットを活用することによって、在宅勤務することを指します。
テレワークは新型コロナ感染症が流行した際に導入する企業が爆発的に増加しましたが、もともとは働き方改革の中で注目されていた制度でした。
自宅から会社の業務に参加できるため、出社時間や退社時間がフレキシブルになり、働く時間に融通が利きます。
一方で自宅では集中できない社員や孤独感を感じる社員も出ており、課題の多い働き方です。
つながらない権利
つながらない権利は、フランスで2017年1月にテレワークを行う従業員を会社が呼び出すことを制限する法律が発端となっています。
テレワークを行う従業員がメールや電話などに対応することを遮断する権利であり、仕事のオンオフをしっかりと切り替えるための法律です。
日本では法律にて制定されていませんが、厚生労働省のガイドラインにおいて長時間労働を抑止するために時間外のメール送付の抑制などを呼び掛けています。
テレワークは新しい働き方であり、今後も様々な問題が出てくることが予想されます。
エッセンシャルワーカー
エッセンシャルワーカーとは、必要不可欠な労働者のことを指す言葉です。
新型コロナウイルス感染症の流行により、人と接触せざるを得ない社会生活を維持するために必要不可欠な仕事を行う人々に対して敬意をもって発せられた言葉です。
ブルーカラー
ブルーカラーとは工場や建築現場などで肉体労働を行う従業員のことを指した言葉です。
エッセンシャルワーカーなど社会の維持に必要不可欠な従業員もブルーカラー分類の仕事が多いです。
ホワイトカラー
ホワイトカラーとは、スーツなどの背広を着用して仕事をする事務職のことを指した言葉です。
テレワーク可能な職種はホワイトカラーの職種が多いです。
同一労働同一賃金
同一労働同一賃金とは、職務内容が同一の労働者は、同じ賃金を貰うべきだという考え方です。
阿部内閣が推進した働き方改革の中で提唱された考え方であり、日本の企業における正社員とそれ以外の有期労働契約で働く従業員の格差解消のために出た理論です。
実務上、日本企業では正社員には定年まで解雇されない上に、定期昇給とベースアップ、賞与、退職金など手厚い待遇が約束されています。
一方で契約社員などの非正規労働者には昇給がなく、賞与や退職金がないことが一般的です。
人事労務を行う上では強く意識するべき考え方であり「なぜこの社員にはこの給料を支給しているのか」といった裏付けをもって処遇する思考力や論理的な説明を行うための思考力を鍛えていく必要性があります。
正社員
正社員とは、雇用期間の定めがない従業員のことを指します。
日本企業がメインとして活用している労働力であり、定年の日を迎えるまで基本的に解雇することができません。
一度雇い入れると定年まで解雇できない存在であり、経営者にとっては経営状況に合わせて人件費調整ができない一方、人事異動などに関しては裁量権が経営側に与えられています。
契約社員
契約社員とは、期間を定めて企業に直接雇用される従業員のことを指します。
契約期間を定めて雇用されるため、雇用期間満了日が到来すると同時に、自動的に会社都合で解雇となります。
契約社員といえども、2年11ヵ月を超えて雇用すると、雇止めが出来なくなります。
また、5年を超えると無期雇用社員という無期転換を社員が申し込めば拒否することが出来なくなっています。
無期雇用社員
無期雇用社員とは、契約社員やパートアルバイトの形態などで勤務している従業員が勤続年数5年を超えて在籍した場合、正社員と同じ定年の日まで退職してもらうことが出来なくなる制度で生まれた社員です。
雇用期間は定年までの雇用を保障しなければならない一方で、給与や賞与などは正社員と全く同じ状態にする必要性がありません。
無期雇用社員を今後どのように処遇するかが企業の課題となります。
派遣社員
派遣社員とは、派遣会社が雇用を行い、企業に対して従業員を労働力として提供することで成立する雇用形態の社員のことです。
派遣会社が直接雇用を行い、派遣先は雇用契約を行いません。
そのため、従業員に関するトラブルは派遣会社が責任を負うことになります。
直接雇用
直接雇用とは、企業が従業員を直接採用して全責任を負うことを指します。
具体的には派遣会社などを通さずに、転職エージェントや転職サイト、ハローワークで応募を募り、企業側で採用した従業員と雇用契約を結び、社会保険と労働保険を掛けることを指します。
直接雇用する場合でも必ず正社員とするわけではなく、契約社員などの非正規雇用なども直接労働契約を結び保険関係を成立させることで直接雇用となります。
派遣社員を雇用する場合とは異なり、従業員に関する全責任を企業側が負います。
定期昇給
定期昇給とは、毎年企業が定めた時期に昇給を実施することを指します。
具体的には、毎年4,000円4月から社員のお給料がアップすることです。
企業によって昇給額は変わります。
ベースアップ(通称:ベア)
ベースアップとは、お給料のベースがアップすることを指し、定期昇給とは区別されます。
ベースアップは基本給の底上げを行うもので、定期昇給は毎年自動的に引き上げる仕組みとなっているためです。
ベースアップが行われると会社の給与水準そのものがアップし、企業側の負担が大きくなります。
また、一度ベースアップした基本給を下げるためには労働組合や労働者代表の合意が必要となるため、ベースアップを行うことに後ろ向きの企業が多く存在します。
春闘
春闘は、労働組合と経営者が労働条件について交渉することを指します。
大手企業を筆頭に毎年2月に労働組合側から改善要求があり、3月に経営者側から回答があり、4月に妥結します。
最も注目を集めるのはベースアップやボーナスの金額です。
毎年の風物詩であり、大企業の春闘はマスコミなども報道をします。
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産業医
産業医とは、企業が業務委託契約などを行い、従業員の健康状態について助言や指導を行う意思のことを指します。
メンタルヘルス対策などが企業に義務付けられており、産業医は重要な役割を果たします。
従業員数が50名以上3,000名以下の企業(事業所単位)では1名以上の産業医を任命し、3,001名以上の事業所では2名以上の産業医が必要となります。
ただし、あくまでも事業所単位であり、社員総数が1,000名の企業であっても各事業所の従業員数が49名以下の場合、任命する義務はありません。
特筆すべき点としては、産業医の意見では裁判など公的な機関での争いには勝てない傾向にある点です。
例えば社員がうつ病などで労災申請を行った場合、産業医が反対意見を書いたとしても、主治医の書いた診断書は公文書扱いになるのに対して、産業医の出す意見書はただの私文書です。
裁判所は主治医である診断書を書いた医師の意見を尊重する傾向にあるため、産業医には健康診断や過重労働者の面談、メンタルヘルス対策予防の徹底などをお願いすることが望ましい運用です。
職域接種(職場接種)
職域接種(職場接種)とは、職場で新型コロナウイルスワクチンや、インフルエンザワクチンなどの接種を行うことです。
産業医と契約している場合、比較的手配しやすいです。
安全衛生委員会
安全衛生委員会とは、常時労働者を50名以上雇用する事業所で実施すべき安全対策などを話し合う会議のことを指します。
月に1回以上開催し、議事録をつけて開催記録を残す義務があります。
企業によっては機能会議など、経営会議と同じレベルでの重要会議に位置付けられていることがある会議です。
職場に危険な場所がないかどうかのパトロールや、社員の平均残業時間の報告、労災の件数や再発防止策について話し合います。
安全衛生委員会の設置条件に関して、産業医設置基準と同じく総社員数が1,000名を超える大企業でも支店や工場などの各事業所単位で49名を超えない場合は、設置をする必要性はありません。
安全衛生委員会の運営は大きな労力を伴うため、古くからある長大重工産業などでは定例開催されています。
一方で、中小企業では各事業所の人数を49名以下にすることでうまく設置義務を逃れているところもあります。
キャリアパス
キャリアパスとは社員がどのような経験を積めば特定の職位や職種に到達できるのかの目安を示すために使われる言葉です。
終身雇用制度が崩壊しかけており、転職が当たり前の時代に突入して生まれた言葉がキャリアパスです。
かつては1社に就職すれば定年する日まで勤務し続けることが当たり前であったため、キャリアを社員個人が意識する必要性はありませんでした。
しかし、現代では社員個人がどのようなスキルを身に着けるのかを考えることが前提の社会となっており、社員に高いモチベーションを持ってもらうためにも企業側がキャリアパスを示していく必要性があります。
人事異動
人事異動とは、採用・職員の配置換え・地位・勤務状態などを変えることを指します。
3月内示で4月に実施など、実施されるまでは本人以外には秘密にすることが一般的です。
人事異動を定期的に行うことにより組織活性化や、取引先との癒着排除など、様々なメリットがあります。
人事異動に関しては企業側が正社員を解雇できないという厳しい解雇規制がある代わりに、従業員を好きな場所に配置することが出来るという権利的な部分があり、企業が自由に決定できる数少ない権利の1つです。
ただし、契約社員や地域限定正社員など、最初から勤務地が雇用契約上限定的な雇用の場合は、人事異動を実施することは本人の許可なしでは難しいです。
基本的には正社員が人事異動の対象になると考えるようにしましょう。
労働審判
労働審判とは、主に労働者が原告となることを想定した労働問題限定の簡易裁判のことを指します。
迅速な労働紛争解決を目的としており、たったの3回の期日で結論が出ます。
書面よりも口頭を重視しており、1回目が行われるまでにすべての書面を出すことが求められます。
一般的に社員とトラブルになり「訴えてやる!」と言われた場合、労働審判を起こされると想定することが多いです。
もしも労働審判で双方が納得できなかった場合、地方裁判所の第一審に移行します。
経営側弁護士
経営側弁護士とは、労働紛争が発生した際、人事部や経営者側の立場で労働紛争解決を目指すことを信条とした弁護士または弁護士法人のことを指します。
大企業では顧問弁護士が在籍していることが一般的ですが、中小企業で人事や経営者をしている方は、経営側弁護士を自ら探して弁護士に依頼することが一般的です。
経営者協会の主催するセミナーで出会った弁護士や、ホームページを検索するなどして、経営側弁護士を探してみましょう。
労働弁護団
労働弁護団は、労働紛争発生時に、労働者側(従業員サイド)に立って相談を受ける弁護士の集合体です。
人事や経営者サイドにとっては敵対的な立場の弁護士集団である一方、弁護士は思想信条よりも依頼人の立場に立つことが当たり前のため、厳しく敵対視するというよりも柔軟に相手を見ることも重要です。
人事労務担当者が戦う相手は大半が労働弁護団の弁護士です。
ハインリッヒの法則
ハインリッヒの法則とは、労災に関する人事労務管理の現場で頻出する法則です。
1:29:300の法則とも呼ばれており、1つの重大災害(社員が死亡や指や腕の切断などの大けがをすること)には、重大災害に至った可能性がある軽微な災害が29個あり、さらにその背後には300個の軽微な災害に至らなかった災害予備軍が存在しているという法則です。
工場や建築現場などに限らず事務所においても、段差などに注意し、労災が起こらないように注意を払うなど普段から安全衛生意識を高く保つことが重要です。
都道府県労働委員会(通称:府労委)
都道府県労働委員会とは、厚生労働省が管轄する労働者の団結を擁護する組織のことを指します。
労働争議の調整や、不当労働行為の審査、労働組合の資格審査を行っています。
社内労組やユニオン(外部労組)などとうまく折り合いがつかない事態に発展すると労働員会がジャッジを行います。
中央労働委員会(通称;中労委)
中央労働委員会は、労働者の団結を擁護する厚生労働省管轄の団体であり、都道府県労働委員会の上部団体です。
都道府県労働委員会で下された命令に不服がある場合、中央労働委員会がジャッジを下すことになります。
国家が管轄する公的な機関であり、労働紛争に関しては大きな権限を保有しています。
一方で最終的な労働紛争や不当労働行為に関する問題は、裁判でも決着を望むことが可能です。
役職定年(通称:やくてい)
役職定年とは、55歳など一定の年齢に達した部長や課長などの管理職を強制的に一般社員にすることを指します。
役員など経営者層まで出世した社員に関しては対象とならないことが一般的です。
モチベーションのダウンした従業員を管理職として滞留させないために導入された制度でした。
定年
定年とは、60歳や65歳など一定の年齢に達した従業員が会社を退職することを指します。
日本では雇用期間の定めのない雇用として正社員の解雇が定年まで実質できませんが、定年に達すれば退職をさせることが可能です。
ただし、これから1億総活躍プランなどの影響や年金支給開始が70歳になる可能性などを配慮すると、定年退職が解雇だというような考え方の訴訟が起こってくる可能性もあります。
定年年齢の見直しやこれから起こり得る労働紛争を見据えて定年制の在り方を根本的に見直すべき時期に来ています。
アイスブレイク
アイスブレイクとは、これまで面識のない人同士がうまくコミュニケーションを取ることが出来るように場を和ませることを指します。
企業の採用面接や、合同説明会などに参加してくれた学生に対してアイスブレイクを行うことで、親近感を持ってもらえる可能性が高くなります。
週休3日制
週休3日制は、企業が従業員に対して週に3日の定休日を与えることを指します。
大企業を中心に週休3日制を検討しており、労働生産性向上などのメリットのある働き方を提供できる可能性のある働き方です。
また、柔軟な働き方を望む優秀な従業員を確保することもでき、採用戦略としても注目を集めています。
ノーレイティング
アメリカの大企業を中心とした新しい人事評価制度として、ノーレイティングが大きな注目を集めています。
ノーレイティングでは社員の格付けをしません。
日本の企業も、アメリカの企業も、一般的には従業員に対してS(最も素晴らしい)からC(最も悪い)などの格付けを行うことで給与や昇給幅などを決定しています。
近年はこうしたランク付けによって社員を評価しても効果がないのではないかと言われています。
始まったばかりの人事評価制度ですが、新しい評価手法であることは間違いありません。
サマータイム
サマータイムは日照時間が長い夏季にのみ導入される朝早く会社に出勤し、定時より早く退勤する制度です。
サマータイムは電力消費を抑えられるなどのメリットがありましたが、結局のところ残業が多い部署などでは早く来た分だけ疲れてしまうなど不評もあり、日本では定着しませんでした。
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ジョブ・ディスクリプション
ジョブ・ディスクリプションとは、職務経歴を詳細に記した文章のことを指します。
日本企業ではまだまだジョブ・ディスクリプションが定着していませんが、転職が一般的な海外では活発に活用されている文章です。
日本は正社員に関しては主に職能給ベースでの運用が行われており、雇用慣習としては会社に命令されればどのような部署にでも異動するという前提があったため、ジョブ・ディスクリプションがないことが一般的です。
欧米などの諸外国では採用段階から「どのような仕事をどこまで任せるのか」を決め打ちする必要性があるため、ジョブ・ディスクリプションが重要視されます。
しかし、日本でも同一労働同一賃金という職務に応じた給与を支給することが迫られるため、社員のジョブ・ディスクリプションの作成は急務となります。
国が強制する前に、作成を始めましょう。
嫁ブロック
嫁ブロックとは、既婚者男性が転職や独立に対して妻に反対され、転職や独立が出来なくなってしまうことを指します。
採用担当者として既婚者を採用したいと考えたときに、少し警戒すべき現象であり、採用担当者の間では広く浸透している言葉です。
採用担当者として給与などの条件や、入社後の勤務時間などに関して、応募者だけではなく家族の不安も取り除けるような採用を実施することが必須となります。
評価者訓練
評価者訓練とは、部下の評価を行う課長職以上の管理職に対して、適切な評価をするための訓練を実施することを指します。
評価者が正しい評価を出来なければ部下のモチベーションが下がり、離職や労働紛争など、取り返しのつかない事態に発展することもあり得ます。
実務上、人が人を評価する以上は、評価エラーがゼロになることはまずありません。
しかし、特定の部下を印象だけで高評価するなど、評価エラーの中身が悪いと会社全体の士気が低下しかねません。
評価者訓練で出来る限り適切な評価が出来る管理職を増加させることが重要です。
社内失業(通称:社内ニート)
企業に正社員として雇用されており、ないかつ仕事が全く与えられない従業員のことを指す言葉が社内失業(社内ニート)です。
旧来は企業側が不景気などによる生産減などによって生じた余剰人員を指していましたが、昨今では若手の正社員に対して企業がしっかりとした教育を実施できず若者にも関わらず社内失業の状態になる従業員もいます。
社内失業者の出現に関しては、日本では解雇規制が強くどのような正社員であったとしても解雇することが出来ない労働環境であることや、転職がしにくく会社を辞めるといった思い切った行動に正社員が出ることが出来ないことに原因があるともされています。
出向
出向とは、親会社などに在籍したまま、子会社など関連企業に従業員を人事異動させることを指します。
栄転出向と呼ばれるキャリアアップのための出向と、年齢を重ねて親会社では処遇しきれなくなった高齢従業員を関連会社に出す左遷出向など、出向先や出向者の属性によって意味合いが大きく変わります。
出向の場合は社会保険や労働保険の関係は親会社など、もともと在籍していた企業のままとなります。
転籍
転籍は、親会社などから子会社やその取引先に籍を異動させる人事異動のことを指します。
出向はまだ親会社など、もともと在籍していた企業に戻ることが出来る可能性があるのに対して、転籍ではほぼ片道切符となり、転籍先で定年を迎えて退職することが多くなります。
社会保険や労働保険なども完全に転籍先の保険に切り替わり、退職金なども清算されるため、完全に関係性が絶たれます。
人員計画
人員計画は、企業の人員状況をどのように組み立てるかを決定する計画のことを指します。
企業の経営状況や、各部署の人員、年齢バランスなどを俯瞰して、これから必要な人材の採用計画や退職勧奨計画などを決定していきます。
重要な点として、予算案の部分に関しては経理部と連携し、しっかりとしたたたき台を作ることが大切となります。
ノーワーク・ノーペイの原則
ノーワーク・ノーペイの原則とは、企業は従業員が仕事をしない日についてお給料を支払わなくても良いという原則です。
原則であるため、例外が2つ存在しています。
1つ目の例外は従業員が有給休暇を申請した場合です。当然に有休で休んだ日のお給料は支払う必要性があります。
2つ目は、休業手当のことです。
会社の都合で従業員を休業させた場合には、企業側が従業員にお給料を保証する必要性があります。
平均賃金の6割以上を保障すれば問題ありません。
有給休暇
有給休暇とは、従業員が6か月以上勤務した場合に10日以上取得できるお金を貰いながら休むことができる権利のことを指します。
勤続年数に応じて有給付与の日数は変化しますが、有給休暇は2年で取得時効を迎えて消滅していくため一定数以上にはなりません。
大企業においては、メンタル疾患で仕事を休む際には、失効した有給休暇を活用できるような制度を導入している企業もあります。
また、年に5日以上有給休暇を取得させることが企業に義務付けられています。
労使間で協議すれば、ゴールデンウィークの飛び石連休となってしまっている平日などに有給休暇を消化することを協議して、長期連休を実現させることも可能です。
製造業では工場運営にかかる電気代などが莫大な費用となるため、長期連休を社員全員にとって貰い、電気代を節約するといった手法が取られることもあります。
自動車業界や重機業界など車を大量生産する業界では電気代などのコストを抑えるためにあえて長い連休を確保しているという事情もあります。
傾聴
傾聴とは、相手の言葉や考え方を否定せず、耳と心を傾けて相手の言葉を聞くことを指します。
傾聴では、相手に共感をすることが求められます。
人事労務の仕事は社員の不平不満などを吸い上げ、良い制度を作り、モチベーションアップを行うことです。
人の話を聞くことが重要な仕事ですから、傾聴スキルをぜひ身に着けてください。
ストレッチ
ストレッチとは、人事労務用語の世界では「社員が手を伸ばせば届くレベルの仕事」ではなく、「社員が背伸びをしないと届かない仕事の目標」を設定して、社員のレベルアップを実現するための人材育成のことを指します。
社員の能力を最大限引き出すための教育手法であり、注目を集めている人事材育成手法の1つです。